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「安倍下ろし」歪曲報道パニックにみる10年前と酷似したメディアの構図

ダイヤモンド・オンライン

8/10(木) 6:00|Yahoo!ニュース

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写真:ダイヤモンド・オンライン

 安倍改造内閣の発足にもかかわらず、かつて60%を超えていた支持率は、いまだ40%を切っているとの世論調査もある。今回の一連の流れで大きな影響力を見せたのが、加計学園問題などをひたすら報じ続けた新聞・テレビなどのマスメディアだ。櫻井よしこ氏によれば、ここには第一次安倍政権のときと「まったく同じ構図」が見て取れるという。いったい何が「引き金」になったのか? 最新刊『頼るな、備えよ――論戦2017』が発売された櫻井よしこ氏が語った。

● 前知事の証言を“無視”した 「朝日」と「毎日」

 日本の国内政治は、危機に直面している。日本の政治家のなかで、世界の現状と戦略を最も鋭く把握しているのが安倍晋三首相であろう。国際社会の劇的変化のなかで、安倍首相に取って代わって日本の国益を守り得る政治家はいないのではないか。しかしその首相と自民党への逆風が吹き荒れ、支持率が急落した。

 さまざまな要因はあるが、大きな原因となった加計学園問題を見てみよう。

 愛媛県今治市加計学園獣医学部を新設する問題で、官邸の圧力で行政が歪められたと主張する前川喜平前文部科学事務次官の証言をきっかけに、反安倍勢力による倒閣運動と言える動きが生まれた。

7月10日に国会閉会中審査が行われ、獣医学部新設は愛媛県のみならず四国4県の願いだった、安倍首相主導の国家戦略特区こそ、歪められていた行政を正したのだと加戸守行前愛媛県知事は証言したが、「朝日新聞」も「毎日新聞」も加戸証言を無視した。

 大半のテレビ局の報道も同様で、いまや安倍首相は一方的に悪者に仕立て上げられている。内閣府・国家戦略特区ワーキンググループ委員の原英史氏は、獣医学部新設問題を審議した一人である。氏が語った。

 「加計学園についての真の問題は、獣医学部新設禁止の“異様さ”です。数多ある岩盤規制のなかでも、獣医学部新設の規制はとりわけ異様です。文部科学省獣医学部新設を過去52年間禁止してきました。通常の学部の場合、新設計画の認可申請を受けて文科省が審査しますが、獣医学部に関しては新規参入計画は最初から審査に入らない。どれだけすばらしい提案でも、新規参入はすべて排除する。こんな規制、ほかにありません」

 原氏は、「異様」の意味はもう一つ、この岩盤規制が法律ではなく文科省の「告示」で決められていることだと強調した。国会での審議も閣議決定もなしに、文科省が勝手に決めた告示によって、52年間も獣医学部は新設されていないというのだ。文科省の独断の表向きの理由は、獣医の需給調整、すなわち獣医が増えすぎるのを防ぐためと説明されている。

● 加計問題はまったく別の角度 からの究明・報道が必要

 だが、愛媛県畜産農家の実情を見つめてきた加戸氏は、知事時代に鳥インフルエンザも経験し、獣医師は絶対的に不足していると強調する。少ない人数の獣医師が皆、倒れそうになるまで働いているのを見ながら、加戸氏は獣医学部新設を許さない鉄の規制、獣医師会と文科省をどれだけ恨めしく思ったかしれないと、語る。いちばん強く反対したのが日本獣医師会だと、加戸氏は本当に口惜しそうに語った。

 2年前の2015年9月9日、地方創生担当大臣だった石破茂氏を、「日本獣医師政治連盟」委員長の北村直人氏らが訪ねたときの様子が、日本獣医師会のホームページに掲載されている。石破氏の言葉としてこう記されている。

 「今回の成長戦略における大学学部の新設の条件については、大変苦慮したが、練りに練って誰がどのような形でも現実的に参入は困難という文言にした」

 獣医学部新設を絶対に阻むべく、規制を強めたと言っていることが窺える。具体的にはそれは獣医学部新設のハードルを上げてきわめて困難にした「石破4条件」を指すとされている。

 石破氏はそのような発言はしていないと、全面的に否定するが、上の引用は日本獣医師会のホームページに石破氏の発言内容として公開されているものだ。真の悪者は獣医師会であり、その獣医師会に石破氏が協力したということを示す資料ではないか。これが事実なら、加計学園問題はまったく別の角度から報道しなければならない。

 こうした背景のなかで、加計学園がようやく新設を許可されることになった。それが安倍首相の圧力の結果だと、「朝日新聞」はじめ大半のメディアは安倍批判を強める。果たして安倍首相は不当な圧力を加えたのか。

 実際にこの問題を取り扱ったワーキンググループの一員、原氏が説明した。

 「絶対にそんなことはありません。獣医学部新設の提案は、新潟市今治市と京都の綾部市からありました。綾部市京都産業大学を念頭にしていたのですが、7月14日に正式に提案を撤回しました。新潟は申請自体が具体化していません。結局、充実した案を示したのが今治市加計学園のチームでした。今治市はもう10年以上も申請を続け、それだけに学部の内容も練り上げていました。ほかの申請者とは熟度がまったく違いますから、彼らが選ばれるのは当然です。安倍首相の個人的思いや友人関係など、個人的条件が入り込む余地などまったくありません」

 加戸氏も、国家戦略特区で今治市加計学園による獣医学部新設が認められたことで「歪んでいた行政が正された」と語り、官邸が圧力で行政を歪めたという前川氏発言を真正面から否定した。加戸氏の指摘からも、行政を歪めた張本人は獣医師会であり、さらに文科省であることが窺える。

● 10年前の安倍政権のときと 「メディアの構図」が酷似…

 にもかかわらず、「朝日新聞」をはじめとするリベラル系メディアは、安倍首相を非難する。実に不当な非難である。この理不尽な非難大合唱のなかで、7月2日に行われた東京都議会議員選挙で安倍自民党は大敗した。

 10年前の第一次安倍政権の末期の状況と現在のそれは酷似している。10年前、安倍首相は1年間しかもたなかった。その間に防衛庁を「省」に格上げし、教育基本法を改正し、憲法改正に必要な国民投票法を成立させた。これで法制上、ようやく憲法改正ができるようになった。

 「朝日新聞」をはじめとする憲法改正に否定的なメディアと野党は大いに反発し、警戒を強め、安倍首相への轟轟たる非難の合唱を巻き起こした。

 無論、当時の自民党の側にも問題はあった。松岡利勝農林水産大臣の自殺があり、後任の赤城徳彦大臣は異様な「絆創膏姿」でマスコミに批判された。

 メディアは連日書き立て、ワイドショーでは多くのタレントや有名人が同調して、世間は自民党批判、安倍批判一色となった。その結果、安倍自民党参議院議員選挙に大敗し、首相の辞任につながった。

今回も、安倍首相は選挙前に憲法改正につながる重要な動きを見せた。5月3日に「読売新聞」での単独インタビューで憲法改正に具体的に踏み込み、核心の九条に触れた。

 自民党総裁としての首相の提案は、9条1項と2項を残し、自衛隊の存在を憲法に書き込むという絶妙な曲球だった。絶対平和主義の2項を残すという首相提案に公明党は反対できない。日本維新の会も、教育の無償化を掲げる首相の改憲案に反対する理由はない。

 よく考え抜かれた戦略的9条改正の提案によって、にわかに改正論議は活発化した。「朝日新聞」らはどれほど驚き、恐れたことか。憲法改正を目指し、そこに近づきつつある安倍首相を許さないというリベラル勢力の怒りと恐れが、洪水のような安倍批判となった。加計問題が材料に使われた。というより、真実を知れば加計問題は安倍批判の材料たり得ない。にもかかわらず、「朝日新聞」もテレビ局の報道番組の多くも、報道を偏向させて、加計問題で安倍政権を非難した。

 10年前と今年、同じ歪曲報道が、憲法改正に向けた安倍首相の動きを打ち砕くために行われている。共通項は「憲法改正」なのである。

● 「不公正な情報操作」に 踊らされていていいのか!

 いま、日本が自立することが、日本国民と日本にとってどれだけ重要か。自立のための憲法改正がどれほど、死活的に求められているか。いくら強調しても、し足りない。

 だが、そのような改革と憲法改正の動きを、憲法9条を守り抜きたいリベラルメディアが、年来の岩盤規制の甘い蜜の味に浸る既得権益層の人々と組んで、必死に止めようとしている。テレビ局の報道番組もまた、公正を期すべしという放送法に違反して一方的かつ無責任な報道を繰り広げる。

 不公正な情報操作に影響された結果、世論は安倍政権に距離を置きつつあり、支持率が急落したことはすでに指摘した。すると、低下した支持率ゆえに憲法改正は難しくなったと、他人事のような論評がなされる。こんなことで果たして日本国を守り通すことができるのか。心ある国民は声を上げるべきだ。問うべきだ。

 日本を自立した国にするための憲法改正は、誰のためか。私たち国民のためだ。国民一人ひとりの子どもや孫たちのためだ。日本国民と日本国のためだ。安倍政権の支持率低下を超えて、いま、日本が自立し、危機に備えなければならない。憲法改正を目指す政治的基盤を、むしろ国民の私たちが盛り上げる時だ。

 憲法改正、これを日本国民の私たちがやらずして、一体、ほかの誰がやるのか。私たちの運命は私たちが切り拓く。将来に自力で備える。それしか道はないのである。

櫻井よしこ